目を閉じているけれど私にはわかるの
満ち潮のようにせり上がってくるのが
それはとろりとした液体で
耳元で気怠い波紋を繰り返すから
それが鬱陶しいと思う事すら気怠くなるの
緩く腕を伸ばすと足首まで垂れた髪が
引きずり込もうと絡まってくるけれど
浮かんでいるものなど何もありはしないのよ
その時たしかに水音はして
私は思わず髪を掴んでしまったけれど
それは粘度の高い液体から逃れる術を持ってなかった
耳元の波紋を乱した蝶もやがては
手放した髪に絡み取られて
千切られた翅だけが気怠く波に漂うのね
ねえもう目を開けてもいいかな
目を開けた時わたしの躯が少し青白ければいいな
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